Interview with Chris Gibbs


UNION LA 35周年を記念し、in·stru(men-tal). & Maison MIHARA YASUHIRO と UNION によるコラボレーションコレクションが、

8月7日(US ) / 8日(JP)にリリースされる。

 

共通の知人を介して出会い、約一年の歳月をかけて制作された今回のコレクション。

その制作秘話やプロダクトに込められた想いを、UNIONオーナーのクリス・ギブス(Chris Gibbs)へのインタビューで紐解く。

コラボレーションの背景や経緯、Maison MIHARA YASUHIROへ寄せる眼差し、そして両者に共通するカルチャーへの姿勢──。

クリスの言葉を通して、コレクションのもう一つのストーリーを届ける。

 

 

 

 

-デザイナー・三原康裕さんにはどのような印象を持っていますか?

また、ものづくりや考えで特に惹かれるのはどういった部分でしょうか?

 

Chris:何よりも好きなのは、三原さんが常に「プロポーション」で遊んでいるところだね。

オーバーサイズなシルエットを多く取り入れつつも、ただ大きいだけじゃない。

服を着た時の「ドレープの出方」までしっかり計算されていて、そのバランス感覚が本当に見事なんだ。

かと思えば、僕たちを驚かせるように、あえてコンパクトでクロップドなアイテムを繰り出してくることもある。

そのギャップが本当に面白い。

そうしたシルエットの遊び心に加えて、細部まで行き届いたこだわりや、

卓越したウォッシュ加工が組み合わさることで、彼ならではの唯一無二なファッション観が生まれていると思う。

僕自身のワードローブにも三原さんの服をたくさん持っているし、日本に来た時には彼のショップが絶対に外せないスポットになっている。

 

 

-三原と知り合ったきっかけと、これまでどのような関係を築いてきたのでしょうか?

 

Chris:数年前、共通の友人であるKBを通じてパリで出会ったんだ。

その後すぐに今回のコラボレーションについて話し始めて、この1年近く、

お互いにアイデアを出し合いながらクリエイティブなやり取りを続けてきた。

それが本当に楽しかったね。

 

 

-今回のコラボレーションの話を初めて聞いたとき、どのような印象を持ちましたか? また、特に魅力や可能性を感じた点はありましたか?

 

Chris:もう分かっていると思うけれど、僕はもともと三原さんの大ファンなんだ。

だから、この話をいただいたときは本当に嬉しかったよ。

コレクション全体にもすごく満足している。納得できないものだったら、そもそも形にはしていないからね。

これをきっかけに、今後も一緒にコラボレーションを続けていけたら最高だなと思っているよ。

 

 

-UNIONが商業的な目的を超えてコラボレーションを行う動機はなんですか?

また、パートナーを選ぶ際に大切にしていることは何でしょうか?

 

Chris:正直に言うと、商業的な理由でコラボレーションをすることはほとんどない。

多くの場合は、自分たちが心からリスペクトしているブランドやデザイナーとアイデアを共有したいという気持ちから始まる。

僕たちにとっては、コミュニティを育てることのほうが大切なんだ。

友人と一緒だからこそ、自分たちだけでは挑戦しなかったようなことにも踏み出せる。

言ってみれば、お互いを刺激し合う”フレンドリーな挑戦”かな。

コンフォートゾーンを少し飛び出して、新しい方法でものづくりを楽しむ。

それがコラボレーションの醍醐味だと思っている。

-今回のコラボレーション以外で、個人的に好きな〈Maison MIHARA YASUHIROのアイテムやコレクションはありますか?

 

Chris:数年前に買ったニットカーディガンがあるんだけど、それは僕がこれまで所有してきたカーディガンの中で一番お気に入りなんだ。

フィット感も、ドレープの出方も、ウォッシュ加工も、すべてが僕にとって完璧なんだ。

それから特定のアイテムではないけれど、「クリーニングタグ」をブランドのアイコンとして取り入れたアイデアは、本当に天才的だと思うよ!!!

 

 

-今回のビジュアル制作では、お互いにアイデアを出し合い、その方向性をUNIONチームが形にしていきました。

最初に企画を見たとき、どのようなストーリーやビジュアルを思い描いていましたか?

 

Chris:三原さんのチームから最初に届いたリクエストは、「LAらしい空気感のあるキャンペーンにしたい」というものだった。

もちろん「LAらしさ」と言っても、その表現は多種多様にある。

いくつか案を出し合った結果、最終的にマッカーサーパーク周辺で撮影することに決めたんだ。

偶然だけど、僕はその公園から10ブロックほどしか離れていない住んでいて、毎日のようにそこを歩いている。

危険な場所というイメージを持っている人もいるかもしれない。でも、危険かどうかは場所だけじゃなく、その場所との付き合い方次第だと思う。

ここは僕のホームだから、その空気感はよく分かっている。

僕にとって一番いいアイデアというのは、自然に生まれるもの。自分が暮らす街の公園で撮影する以上にオーガニックなことはないと思ったよ。

 

 

-完成したビジュアルからは、ロサンゼルスの街並みや車、そこで暮らす人々の日常がリアルに伝わってきます。

ロケーションやキャスティング、ビジュアルのトーンはどのように決めたのでしょうか?

 

Chris:ロケーションについてはさっき話した通りだね。

モデルは、これまで何度も一緒に仕事をしてきたUNIONの仲間たちを起用したし、フォトグラファーも同じさ。

すべてを”UNIONファミリー”で作り上げたんだ。

 

 

UNIONはこれまでも独自の視点でブランドやデザイナーを紹介してきました。

新しいブランドやプロダクトをコミュニティへ届ける際に最も大切にしていることは何ですか?

 

Chris:難しい質問だけど、まず一番に考えるのは「新鮮さ」かな。

そのブランドがお客さんにとって“新しいものか”。そこが全ての出発点なんだ。

そのブランドはまだ見たことのないブランドなのか。たとえ既に知っているブランドだったとしても、

新しいアプローチや革新的な表現をしているのか。

あるいは、圧倒的に高い完成度でものづくりをしているのか。

形はさまざまだけれど、何かしら新しいものがあることを大切にしている。

-UNIONにとって、音楽、アート、スケートボード、ストリートカルチャー、そしてファッションはどのようにつながっていますか?

 

Chris:僕たちは自分たちのショップを、まず何より「ライフスタイルショップ」だと考えているんだ。

新しい服を見つけてもらうことと同じくらい、お店で面白い会話が生まれたり、

新しいアーティストや音楽を紹介し合えたりすることを大切にしている。

僕たちにとってファッションとはコミュニケーションそのものなんだ。

言葉ではなく、視覚を通して誰かと会話を始めるための手段。

だからアートや音楽をはじめとするカルチャーは、UNIONという店やブランドに欠かせない存在なんだ。

 

 

-スケートボードやサーフィンといったサブカルチャーは、ご自身にどのような影響を与え、UNIONの哲学にもどうつながっていますか?

 

Chris:子どもの頃はスケーターだった。

スケートボードのデザインを通して、初めてビジュアルアートに興味を持つようになったんだ。

12歳くらいの子どもが美術館へ行きたがることはあまりない。

だから、お気に入りのレコードジャケットやスケートデッキは、最初に出会うキャンバスだったりする。

それが、ビジュアルアートを理解し、好きになるきっかけになった。

それこそがストリートウェアの土台だと思っている。

それに80年代、僕は80年代育ちなんだけど、スケートカルチャーは完全にカウンターカルチャーで反骨精神の象徴だった。

そうした価値観も自分の青春時代を形づくってくれた。

そして、アウトサイダーやカウンターカルチャーにはいつも共通することがある。

社会の中心ではなく周縁へ押しやられた僕たちが、そこで自分に似た「同類(仲間)」と出会うこと。

僕にとってのコミュニティは、まさにそこで生まれたんだ。

 

 

-ロサンゼルスという街やコミュニティは、UNIONというブランドにどのような影響を与えてきましたか?

 

Chris:すべてだよ。

UNIONはコミュニティそのものを映し出す存在であり、僕たちはLAそのものなんだ。

この街がずっと僕たちを受け入れ、クレイジーなアイデアを応援してくれなければ、今のUNIONは存在しなかった。

だから今度は僕たちがLAを映す鏡になって、この街が持つ魅力を世界へ伝えたいと思っている。

ストリートウェアがどこで生まれたかについてはいろいろな意見がある。でも、それが成熟した場所は間違いなくLAだと思っている。

 

 

-最近よく聴いている音楽を教えてください。

今回のプロジェクト中によく流していたアーティストやジャンルはありますか?

 

Chris:僕の音楽の趣味は本当に幅広い。

僕は白人と黒人のミックスなんだけど、どちらのルーツも音楽が大好きな家庭だった。

だからある日は〈The Everly Brothers〉みたいなオールディーズを聴いていたり、

〈Simon & Garfunkel〉のフォークだったり、〈The Smiths〉や〈Cocteau Twins〉のようなシューゲイザーを聴いたりする。

それを”白人側のルーツ”と言う人もいるかもしれないね(笑)。

一方で、〈GQ〉みたいなディスコ曲や〈Peven Everett〉のようなハウス、

それに〈Lalah Hathaway〉や彼女の父親である〈Donny Hathaway〉のR&Bも大好きだ。

最近は新しいR&Bをよく聴いている。

特によく聴いているのは、ニューアルバムをリリースした〈Kelela〉、それから90年代R&Bを現代的に表現する〈Laya〉、そして〈Leiah〉だ。

この3組は本当に素晴らしいよ。

 

 

デジタルでの発信も強化している一方で、UNIONはリアルな店舗やコミュニティも大切にしています。

今、フィジカルストアにはどのような役割があると考えていますか?

 

Chris:リアルな店舗は、コミュニティが集まり、アイデアを共有するためのソーシャルな場所だと思っている。

 

 

長年ファッションやストリートカルチャーに携わる中で、好奇心やモチベーションを保ち続けられる理由は何でしょうか?

 

Chris:正直、自分でもうまく説明できない。

昔からずっと好奇心旺盛で、モチベーションも高く、エネルギッシュだった。

それが生まれ持ったものなのか、育った環境のおかげなのかは分からないけれどね。

そのうちファッションが、自分のエネルギーを注いで生計を立てられる手段になるかもしれないと思うようになって、それが今も続いている。

僕はコミュニケーションを取ることが好きなんだ。

そしてファッションは、そのための一番大きな”言語”になった。

だから常に新しい”言葉”=ファッションを、自分のボキャブラリーに加えたいと思っている。

そして途中から日本という存在に出会った。

それ以来、日本は僕にとって一番大切な”言語”になっているんだ。

 

 

最後に、このコラボレーションを通して、UNIONのお客様や〈Maison MIHARA YASUHIROのファンにどのようなことを感じてほしいですか?

 

Chris:何よりもまず、UNIONと三原康裕さんの間にある友情を感じてもらえたらうれしい。

そして、これまでMaison MIHARA YASUHIROを知らなかったUNIONのお客様が、

この素晴らしいブランドに興味を持つきっかけになれば、それ以上にうれしいことはないな!

Chris Gibbs

 

1989年にオープンしたUNION NYで長年バイヤーとしてのキャリアを積み、現在は UNION LAとUNION TOKYOの2店舗でオーナーを務める。

2016年には世界で最も影響力のあるアーティスト・クリエイターを選ぶ「HYPEBEAST 100」に選出された。

 

 

 

 

About | UNION

 

1989年にNYで誕生したセレクトストア。

まだ専門店が存在しなかった時期にSTÜSSYやSUPREMEの他、BAPEやNBHD等の東京発ブランドの販売をスタート。

現在はLAを拠点に世界各国のユニークなアイテムのみを厳選し、BODEやMARNIなどデザイナーズブランドとストリートウエアを黎明期から支えてきた。

2017AWにスタートした注目のオリジナルレーベル「UNION ORIGINAL」を中心に唯一無二のラインナップを取り揃えている。

国内では2018年4月にTOKYOストア、2022年10月にはOSAKAストアがオープン。

 

 

 

【取り扱い店舗】

 

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Maison (MY)Labo.