PLAYERS : MASAKI HARADA
TOP STORY Sリーグ伊豆・下田戦2024 Part 1
原田 正規
MASAKI HARADA
Sリーグ伊豆・下田戦2024
Part 1
Sリーグマスターズツアー第2戦の舞台は伊豆半島の最南端、下田市にある多々戸浜。8月の茨城戦に続き、原田はエントリー。長男カイマナとともに現地に入った。
文:高橋 淳
写真:飯田 健二
伊豆・多々戸浜のスモールウェイブ
伊豆・下田の海は美しい。白砂のビーチに透明な青い波がブレイクする。そんな絵に描いたような風景が海辺に広がっている。南を向いた多々戸浜は比較的うねりをキャッチしやすく、伊豆なかでもコンスタントに波が立つことで有名だ。
Sリーグマスターズツアー第2戦「さわかみ伊豆下田プロ」は9月17日から始まる。初戦で準優勝という好成績を収め、シード選手となった原田のファーストヒートは19日。下田の波と土地のリズムに自分を合わせるために、原田は16日に現地へと向かった。今回のバディはカイマナだ。
千葉を9時半に出発。午後遅くに多々戸浜に到着する。波は腰〜腹程度と大きくはないが、地形がいいのか、波のかたちはいい。原田が持参したサーフボードは3本。まずは小波仕様のツインフィッシュのアップデート版を試し、調整を始めた。
「一見かたちがきれいだけど、癖がある波。素直に行くと抜けちゃうところがある」
多々戸浜はご覧のような美しさ。風光明媚という言葉がふさわしい
到着するなり、カイマナとサーフセッション。ふたりは出発日の早朝、千葉でも波に乗ってきた
ツインフィッシュで軽快にスプレーを飛ばす原田。多々戸の波と自分のリズムを同期させていく
試合で好成績を重ね、メキメキと実力を上げているカイマナ。原田のサーフバディとして、今やどこへでもついていけるスキルを持つ
ひさしぶりの伊豆来訪。かつて戦った地元プロとの再会も遠征試合の楽しみだ
トライアルとラウンド1が終了し、対戦相手が決定
17日、大会が始まった。この日も波はクリーンながら、若干サイズダウン。原田はシード選手のため、出番はない。早朝、茨城戦の好調を支えてくれたボードを試し、調整を重ねた。
今回のマスターズツアーでは、新たに参戦するプロを選定するトライアルも開催された。結果、前回は解説者として会場にいた世界に名だたるパイプライナー、脇田 貴之と対戦する運びとなった。ほか2名の相手は、徳田 昌久と渡辺 広樹。けっして楽なヒートではない。
夕方、ヒートの対戦相手が決まるのを確認してから海へ。3本目のラウンドスカッシュテールのボードをテストする
パワフルな原田のサーフィン。小波でも太いラインで攻めていく
「おー!今回もがんばろうな!」と千葉の先輩プロサーファーである河野 正和から声をかけられ、激励し合う。ふたりは前大会のトップ2
開会式にて、下田市の松木 正一郎市長がデモンストレーションで波乗りを披露。大学時代以来、約40年ぶりのサーフィンとのことで、この日のために特訓を積んだとのこと
海上がり、「(サーフィンは)気持ちいい!」と満面の笑みを見せる松木市長。下田市は「世界一の海づくりプロジェクト」を掲げ、市を挙げてサーフィンに力を入れている
下田ハウスでリラックスタイム
翌18日はメンズのヒートのみで、マスターズ出場のプロたちは完全にオフ。波はあいかわらず小さい。この日の早朝まで海での調整を重ねた原田は、明日からの本番に向けて宿でリラックスすることにした。
夕方に会場に行くが、やはりスモールコンディション。潮が引いているタイミングはヒート開催ができないほど。試合を一時休止するウェイティングタイムを設けたために予定していたヒートを消化しきれず、明日のシケジュールに影響が出ることになった。サーフィンの大会はむずかしい。会場となる海は自然。人が思うようにはならない。刻一刻と変化する海に対して、人が合わせていくしかないのだ。そうしたなかでモチベーションをキープする方法はそれぞれ。原田は口数少なく、静かなときを過ごしていた。
明日は、波がいくらか上がる予報だ。
今大会時の宿泊先は、関さんご夫婦が営む下田ハウス。原田は「とてもなごんだ」と話す。遠征試合において、身も心も休まる快適な宿に泊まることも重要だ
下田ハウスのオーナー関さんは大の釣り好き。最近釣りにハマっているカイマナにとっても最高の時間になった
仲間とコツコツ手づくりし、脱サラをしてオープンさせたという下田ハウスは、温かい雰囲気とこだわりに溢れている
オフの時間、宿のすぐそばを流れる稲生沢川へ。時には翡翠も見られるという豊かな自然は伊豆ならでは
本番前日、静かに気持ちを高めていく。波の音を聞きながら
<つづく>
POSTED : 2024-11-11