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ランブラテのザ・スケートショップ

文、写真、動画:河上 竜平

 

イタリアのランブラテに出かけた。ミラノ界隈で有名なスケートショップ「ザ・スケートショップ」のオーナーのジョー・オノラトがエマがミラノに来ていることをインスタグラムで知り、「ぜひ店に会いに来てほしい」と誘ってくれたのだ。

 

わたしたちが滞在しているコローニョからは地下鉄で6駅のところにあるランブラテ。電車に乗っている時間は40分ぐらいだ。3日目に空き時間ができたので、わたしたちは行ってみることにした。

 

ホテルからコローニョセントラル駅までプッシュしながら向かう。地下鉄のチケットを買うために、「タバッキ」という日本で昔よく見かけたキオスクのような店に寄る。2.2ユーロ(約360円)のチケットがあれば、地下鉄とバスが90分間乗り放題だ。3日目ともなれば、駅まで行くのもチケットを買うのにも慣れてきた。

 

コローニョセントラル駅のホームに上がると、北側にアルプス山脈がとてもきれいに見える。エマがスケートボードをしているおかげでイタリアに来ることができた。そして、この目でアルプス山脈を見ている。最高の体験をさせてもらっていることを実感し、感謝の気持ちが溢れた。余談だが、わたしは小さいころからテレビ番組の『世界の車窓から』が大好きだ。だから、いつかヨーロッパの電車に乗りたいと思っていた。田舎を走る路線ではなく地下鉄だったが、その夢が叶った。

 

ラムブレート駅に到着。駅を出ると、間違いなく日本人はいないと思われるイタリアの下町だった。事前に危険なエリアではないことは下調べしてある。ましてや昼間なので何も問題はないだろうと店へと向かった。エマは初めて訪れる異国の街の雰囲気にとてもワクワクしていた。

 

ザ・スケートショップは駅のすぐそばにあった。ドアを開ける。店内には数名のローカルスケーター。オーナーのジョーがエマに気づき、大きな声で「Ema!」と歓迎してくれた。するとすぐにジョーはローカルスケーターたちにエマを紹介。みんなが笑顔で話しかけてくれる。エマは英語もイタリア語もわからないが、とても楽しそうにしていた。

 

ジョーはお店の服やキャップを「お土産に」と大量にくれた。そして「せっかくここまで来てくれたんだからお茶をしに行こう」とお店を閉めて、近所のカフェに連れていってくれた。エマと同じく、わたしも英語もイタリア語も話せない。ジョーは気を遣い、ゆっくりとしゃべってくれる。わたしたちはグーグル翻訳を駆使してコミュニケーションをとった。カフェの前をほかのローカルスケーターが通りすがる。何気ない話をしているだけで楽しい。ジョーは近所のお店の人にまで、日本から来たわたしたち紹介してくれた。

 

翌日、このとき友だちになったスケーターが「一緒に滑りに行こう」と連絡をくれた。しかし残念ながら、帰国日だったため叶わなかった。次回のお楽しみだ。ミラノの観光地もすばらしいが、まったく知らないローカルな街はおもしろい。友だちができたとなればなおさらだ。

ミラノで有名なザ・スケートショップ。街中にある建物の壁は落書き(ストリートアー)だらけ。日本ではあまり見かけない光景に驚く

ザ・スケートショップのキャップをもらって上機嫌なエマ

ジョーが連れていってくれたカフェの前で友だちになったランブラテのローカルスケーター。残念ながら、彼らと滑ることは叶わず。「またミラノに来て一緒にセッションしたい」とエマは言っていた

記事とともに動画も見て、日本ではあまり馴染みのないランブラテの空気をぜひ感じてほしい

POSTED : 2024-03-03