文：原田 正規
写真：熊野 淳司
年が明けてからの1月前半、波がある。わたしは軽くトレーニングをしながらホームポイントでボードテストを行い、自身の調子をキープしている。そして、待ち望んでいるビックスウェルがいつやってくるか、まめに気象予報をチェック。時間があるときは家具の配送のアルバイトをときどきしつつ、今年自分ができることのイメージを頭に描きながら毎日を過ごしている。
自分がやりたいことを成し遂げるには、それなりの準備が必要だ。そこでまず、玄関に無造作に置かれたサーフボードたちをちゃんとしたラックに立て掛けて倉庫に保管しようと思い立ち、長いあいだほったらかしにしていた庭にあるコンテナハウスの大改造を始めた。
サーフィン中心の生活を送るためにつねに海と向き合い、サーフボードのシェイプも行う自分にとって、もっとも大切なサーフボードをていねいに扱うことを怠ってはいけないと感じたからだ。この行動はわたしのモチベーションアップにもつながるだろう。またシニアツアーに出場する立場としても、サーフボードが命運を左右する大事な商売道具として考えれば当然のことだ。
事前にきちんと段取りさえしておけば仕事の大部分は完了だという意味を持つ「段取り八分、仕事二分」という格言を思い出した。サーフボードを整理整頓することによって、シェイプするうえでもよりクリエイティブに考えが進む。さらに手順をきっちりと決めておけば、それだけ仕事の質とスピードは上がることにつながるとあらためて思ったからだ。
サーフィンも同じだ。調子よくサーフィンするには、体をいい状態に保たなければならない。そのために、いい習慣を日々重ねる。あたりまえのことだが、この「あたりまえのこと」を今年はしっかりやっていく。
1月も半ばを過ぎた。来月は1年のうちでもっとも寒くなる節分の季節。そのころまでには、倉庫のなかにサーフボードをきれいにずらっと並べ、波に合わせていつでも取り出せるように準備しておきたい。
POSTED : 2024-01-19