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ウィンターシーズンに向けて

文:原田 正規

 

一般的に、サーフィンをするのは夏だけと思われていることが多い。でもじつは、秋から冬(10月~2月)の日本にはいい波が立つ。西高東低の気圧配置により台風なみのパワフルな北うねりがヒットし、コンスタントにオーバーヘッドサイズまでアップする。フリークサーファーたちが本格的にサーフィンをするのはウィンターシーズンだと言っても過言ではない。

 

冬に本気でサーフィンする人たちにとって重要になるのがウェットスーツだ。着用するのは、袖も丈もフルレングスのフルスーツ。生地は春夏仕様の薄手のジャージタイプから、4ミリ~5ミリほどの厚いラバースキンタイプに変わる。わたしが暮らす外房の海では、さらにブーツとグローブ、ヘッドキャップというフル装備でサーフィンをしなければならない。

 

ウェットスーツはオーダーメイドすることをおすすめしたい。自分の体にジャストフィットしたウェットスーツは冷たい水から体をより守ってくれるからだ。もちろんパフォーマンスは既製品とくらべて別格である。自分の体に合わないサイズのウェットスーツを着ると、首や脇などが擦れて痛くなってしまう場合もあるので気をつけたい。

 

ウィンターシーズンは厳しい寒さのなか海に入るわけだから生半可なものではない。だけど、これだけの準備をしてでもサーフィンをしたいと思える人であればきっとリアルサーファーになれるはず。上達するには、たいていの人が海から離れるこの期間がもっとも重要なのだ。

 

夏場は南うねり、南西の風が多いのため、千葉の海を例に言えば、一宮エリアのビーチの波が安定してくる。しかし冬場は北うねりがメインで北寄りの風が吹くことが多いので、南へ下った勝浦周辺の波がよくなる。このように別のポイントのグッドウェイブでサーフィンできるのもウィンターシーズンの魅力のひとつだろう。

 

わたしの出身地である佐賀県の海は日本海。冬場だけ波が立つエリアで、夏場はまったく波がない。そのため暑い時期にサーフィンができない苦労があった。だから大会に勝つことにも苦労し、なかなか上達できないジレンマを抱えていた。おかげで夏は車やバイクに没頭するなど、違った方向に走ることもしばしばあった。

 

千葉に移り住んで何よりうれしかったのは、一年中波があり、毎日サーフィンができること。それは地元でサーフィンができない日々に思い描いていた夢そのものだ。

POSTED : 2023-10-20