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家族そろって千葉に遠征

文:河上 竜平

 

千葉県一宮町にあるJFスケートパークトラミに遠征してきた。関東のスケーターが滑っている様子をエマがインスタグラムで見て、行ってみたいと言い出したのだ。

 

道中、太平洋が広がる九十九里浜の海沿いの道を通る。一宮町界隈はサーファーが多く、サーフショップやお洒落なカフェが建ちならんでいる。わたしたちが住む場所とは別世界だ。コンビニエンスストアにもサーフィンのグッズが売っている。山育ちのエマと弟のヒイロは初めて見るウェットスーツやサーフギアを不思議そうに触っていた。

 

そしてJFスケートパークトラミに到着。パーク内にはフラットスペースと大小2種類のコンクリートボウル※1、11フィート(約3.35メートル)のバートランプ※2がある。ハンバーガーやアイスクリーム、ドリンクなどが買えるカフェも併設しているので、家族でゆっくり楽しめる。一緒に滑る約束をしていた関東の友だちはすでに来ていた。早く滑りたい。エマとヒイロは急いで準備をすると、すぐさま滑りだした。

 

エマはお目当てのバートランプに行き、ヒイロはフラットスペースで同い年の友だちと遊ぶ。5歳のヒイロでも遊べるフラットスペースを設備してくれているのはありがたい。いつも地元のジースケートパークばかりで滑っているため、慣れない環境に少し苦戦していたエマはこう言った。

 

「高さが低くてバーチカル(垂直)部分が少ししかない。エアーがボトム側に行くから着地のときに足が伸びる。あと面が少しつまる感じ」「エアーが上げにくいけど、何本かやってたら合わせれると思う」

 

自分なりにふだんのバートランプとの違いをすぐに見つけ、修正しようとしていることに成長を感じる。やらせるつもりはなかったが「900は?」と聞くと、「高さを上げてまわさなあかんけどもっとボトムに行くし、面が緩いから着地で足がめっちゃ痛くなるからやらん。でも、それ以外のトリックは全部できる」との答え。やらない、やりたくない理由を説明していたのには笑ったが、判断が的確で、親が思ってる以上に考えているんだなと思った。

 

その後のエマは自分でルーティンを考えながらいろいろなトリックに挑戦。さらにホームパーク以外での大会を想定して、どれだけ短い時間でそれらをメイクできるかチャレンジしていた。

 

「技はいろいろできたけど、高さが出せなかったし、かんたんなルーティンしかできんかった。(ジースケートパークで)もっと高さ上げる練習して、余裕でむずかしい技をつなげれるように練習するわ」

 

どうやら本人なりに課題を見つけたようだ。いっぽうのヒイロは、最初から最後までほぼ休みなく友だちと滑ったり虫を捕まえたりと、エマ以上に汗をかいてJFスケートパークトラミを満喫していた。ストイックな兄とは対照的な自由すぎる弟。どのように成長するのか楽しみだ。

 

最後は兄弟一緒になかなか会えない関東の友だちとスケートボードで鬼ごっこ。楽しい1日はあっという間に過ぎていった。

 

 

※1 アールというカーブしたセクションで囲まれたプールのようなコンクリート製の構造物。アメリカで水不足になった際、金持ちの家の水のないプールをスケートボードで滑ったことが発祥と言われている。
※2 最上部が垂直になった高さ約4メートルのハーフパイプ状の巨大構造物。バーチカル(バート)という競技のコースとなる。

 

初めてのJFスケートパークでエマが何本か考えたルーティンのひとつ。慣れない場所で、幼いなりに頭を使って楽しんでいた

コンクリートボウルでエマが見せたエアー。「アメリカにありそうなボウルやな。神戸にできてほしい」と楽しそうにまわっていた

写真:河上 竜平

 

ヒイロ(左)と関東に住む友だちのラムくん(右)。今年5月にラムくんがジースケートパークに遠征に来ていて仲よくなった。保育園児でも遠くに住む友だちができることもスケートボードの魅力

写真:河上 竜平

JFスケートパークのフラットスペース。子どもや初心者でも安心して楽しめるエリアがあるのがうれしい

写真:河上 竜平

 

POSTED : 2023-07-14