文、写真:河上 竜平
アーバンスポーツフェスに招待されて、長崎県大村市のボートレース大村に併設するコミュニティパーク、グルーンおおむらへ行ってきた。エマも私も初めての九州だ。
アーバンスポーツフェスは大村市民感謝祭の一環で開催されている。スケートボード、ダブルダッチ、フリースタイルフットボール、フリースタイルバスケットボールのショーや体験会、料理教室や子どもの遊び体験会、お笑い芸人おかずクラブのショーやバレーボールの古賀紗理那選手のトークショーなどの催しがあり、キッチンカーも出店していて、一日楽しめるイベントだ。エマに来たオファーは、まさかのトークショー。ちゃんと喋れるか心配もあったが貴重な経験になると思い、お話をお受けした。
長崎へは神戸空港から1時間程度。そして空港から現地まで20分程度で到着した。当日は朝からグルーンおおむら内にあるスケートパークへと向かった。こちらのパークは2022年11月にオープン。ストリートのセクションと、中央に一周をぐるっとまわれるミニボウル、90センチのランプが設置されており、エマの本職のバーチカルランプはないが、初心者から上級者までが楽しめるつくりで、AJSAのコンテスト会場としても選ばれている。ちなみに利用料は無料だ。
エマがストリートを滑ることはほとんどないが、嫌いではない。むしろ、ふだん滑ることがないので楽しくてしかたがないようだ。というわけで、トークショーの時間まで目一杯滑った。あまりにも楽しくて、本来出演する予定のなかったスケートボードのデモンストレーションに出て、その流れでスケボーの体験会いも参加した。デモンストレーションでは、プロのストリートスケーターとくらべたら何もできないレベルなのだが、精一杯滑って満足げだった。そして、汗をかいたままトークショーの時間を迎えた。
MCの進行に沿って質疑応答に答えるトークショーも無事に終えることができた。モニターまで用意していただいたので、エマの海外のコンテストの様子や900※1の映像などを流しながら話した。エマにとって初めてのトークショーだったのだが、物怖じせずに受け答えできていたことに成長を感じた。
トークショーのあとは夕方までスケート。パークを滑っていて自然とできた友だちとセッションを楽しんでいた。夜は今回のイベントチームの懇親会に誘っていただいた。ここでもエマは人生初となる乾杯の音頭をとらせてもらった。というか、勝手に乾杯の音頭をとりにいき、気づけばひとりでいろんな席に移動して話をしていた。なんの話をしているのか、迷惑をかけていないか心配だったが、楽しそうにしていたので本人にまかせた。
2日目の任務もトークショーだったが、案の定スケートのデモンストレーションと体験会にも参加。一日中滑って、新しくできた友だちと遊んで、あっという間に一日が終わった。今回のイベントで感じたことを、エマはこう話していた。
「たくさんの大人がいろいろなところから集まってきて、みんなに役割があって、楽しみながら協力し合って、お客さんが楽しんでもらえるようにがんばっていて、おれも楽しかったし、がんばろうって思った。ゴハン会も楽しかった。Xゲームズ※2とか海外の大会もそうやし、いろんな役割があって、みんなで楽しんで仕事してた。だから、おれもみんなでできる楽しい仕事がいいな」
とても大切なことだと思った。自分が10歳のときはそんなことを考えていなかった。20歳のときでも考えていなかったかもしれないと、自分自身があらためて考えさせられた。そして、エマは飲み会が好きなタイプなのかもしれないと思った。
※1 空中で体とボードを一緒にお腹側へ2回転半させるトリック。
※2 さまざまなエクストリームスポーツを集めた世界最大級の競技大会。夏と冬の年2回開催される。
エマ、初めてのトークショー出演。そつなくこなし、観覧者に喜んでいただけたようでホッとした
イベントには大村市民の方々がたくさん。大村市はボートレース発祥の地で、ボートレース文化が市民に深く根づいているという
ダブルダッチ、フリースタイルフットボール、フリースタイルバスケットボールのメンバーと一緒に。みんな世界で活躍する有名な方々。とても優しかった
夜の飲み会。なじみすぎてエマがどこにいるのかわからない。エマはたくさんの大人たちと接していて、仕事というものに触れる機会が同年代のなかでも多い。目標に向かってただひたすらスケートボードをがんばっているが、すばらしい社会経験もさせてもらっている
穏やかな大村湾。今回のイベントと旅も、エマにとってとても大切な経験となった
POSTED : 2025-03-17