TOP BLOG ONLY A SURFER KNOWS THE FEELING
文:原田 正規
写真:高橋 淳
“Only a surfer knows the feeling”は、オーストラリアのサーフブランド「BILLABONG(ビラボン)」が大切にしているブランドの考え方を表す言葉。日本語では「サーファーだけが知りえる感覚」という意味だ。
ずっと昔、仲間とシェアハウスで暮らしていた時代に、このフレーズが書かれた紙切れを誰かがトイレに貼っていたことを思い出した。
あれから20年、今もそのフレーズがわたしの頭に残っていて、人として、とてつもなく大事なことを教えてくれている気がしている。サーフィンにどれだけどっぷりハマり込むかによるが、「サーファーだけが知りえる感覚」は、生涯人生を豊かにさせてくれることに結びつくと気がついたからだ。
たとえば、雨の日に外に出たくない気持ちだったり、仕事や人との関係性がうまく行かないときでも、海に出かけるだけで前向きになる。何もやらなければ、ずっと家にいて冴えない気持ちを引きずりながら憂鬱な日が続くかもしれないが、サーファーならば波に乗ってリフレッシュできる。そんな日でも、楽しい時間に変えられる。そうした動きを繰り返すことで、人生の豊かさ、価値観を見出せるようになる。
一般的にはサーフィンのイメージは夏だが、これからの冬時期は空気が澄んでいて、夏の季節とはまたひと味違ったいい景色になる。混雑もなく、無風であればシーンとした空気のなかに芸術的造形をした波だけが押し寄せる。そして、その波をどうライドするかということだけに没頭する。
それだけで生きていることがすばらしく思え、心身ともに満たされるのがサーフィンの魅力だと思う。もちろん毎日がそんな特別な日ではなくても、海のコンディションが日々異なること自体がおもしろい。
サーフィンはオールシーズン可能なスポーツ。どれだけハマり込めるかで、吸い込まれるようにどんどんサーフィンの魅力にハマる。わたしたちサーファーはそれだけ自然の恩恵を受けて生きているわけだから、自然に感謝する必要がある。
POSTED : 2024-11-22