文、写真:原田 正規
先日、親友で一宮町議会議員の議長を務める鵜澤 清永から、一宮町をサーフィン保護区にするために結成された「一宮の魅力共有会」のミーティングに誘われた。
サーフィン保護区に認定されるためには、世界に認められる波の質はもちろん、生物多様性が高いホットスポットであることや、海をはじめとした地域特有の歴史や文化の豊かさが大切になる。つまりサーフィン保護区になれば、地域の生態系、波が保護されるということだ。
アメリカのマリブやサンタクルーズ、オーストラリアのゴールドコースト、ヌーサなどがサーフィン保護区になっているという。わたしは上記のうちオーストラリアのヌーサ以外は現地に行った経験があるので、それらの場所がサーフィン保護区になることはなんとなく理解できる。土地ならではのもの、つまり波、その波を生み出す地形、そこに住む動物や文化などがすばらしいのだ。
たしかに、ここ近年一宮町の繁栄はすごい。サーフィンがオリンピック競技に認められ、世界初の開催地として一宮町が選ばれたことでいっきに町が盛り上がった。それからというもの、移住する人がますます増え、町にお店が増えた。サーファーにとって、住みたい町の上位に入ることは間違いない。
わたしは30年近く一宮町に住んでいるが、移住した当初は何もなかった。田舎町なのにやたらサーフショップが多いなという印象で、サーファーもシーズン以外はいつもの顔ぶれだけ。海もガラガラで、町もスカスカな感じだった。
現在ここまで一宮町が発展した理由は、サーフィン以外にない。サーフィンというスポーツが町をつくるエネルギーとなり、町を訪れる愛好者たちはあとを絶たない。こうして考えてみると、先ほど挙げたサーフィン保護区になっているマリブやゴールドコーストなども同じだと思える。サーフィンが町のベースにあることで、その町を守り、次世代へ継承しようという活動が生まれる。そうして町やそこに暮らす人々がさらに豊かに発展していく動きなのだということで、わたしも納得した。
わたしの隣にいるのが、一宮町議会議長と務める鵜澤 清永。ナビゲーターサーフボード、キヨウザワデザインを主宰し、シェイパーとしても活躍する生粋のローカルサーファーだ
POSTED : 2024-10-25